19世紀アメリカのクロモリトグラフは、「どこの工房が凄かったか」だけでなく、何を印刷していたかで系統がかなり分かれる。特に重要なのは次のあたり。
1. L. Prang & Co. — ボストン
おそらく19世紀アメリカのクロモリトグラフ工房として最重要。
- Louis Prang(1824–1909)
メトロポリタン美術館には1888年の《Prize Babies》について、19個の石から38枚の版を刷った工程見本まで残っている。これはクロモリトグラフの「どうやって色を積み上げたか」を見る資料としてめちゃくちゃ面白い。
ボストン公共図書館にもPrangのクロモリトグラフが1,500点以上残っている。
2. Currier & Ives — ニューヨーク
こちらは超有名。
- Nathaniel Currier
- James Merritt Ives
- 1835年創業、1895年まで活動
- 19世紀アメリカの大衆向け版画市場を巨大化させた
ただし、ここは**「純粋なクロモリトグラフ専門工房」ではない**ところが重要。
基本的には石版を刷った後、手彩色した作品が大量に存在する。
1866年以降のニューヨークの工房では、
- 3階:印刷
- 4階:画家・石工・リトグラファー
- 5階:彩色工
という分業体制になっていた。
つまり、これはかなり面白い。
「版画工房+絵画工房+大量生産工場」
みたいな構造になっていたわけだ。
3. J. H. Bufford & Co. — ボストン
アメリカのクロモリトグラフ黎明期を調べるなら外せない。
ボストンでは1840年代からクロモリトグラフが始まり、J. H. Bufford & Co. や L. H. Bradford & Co. が早い段階から商業的に成功していた。
Bufford系は、
- 楽譜
- ポスター
- 広告
- トレードカード
- 美術的な色彩版画
など非常に幅広い。
4. P. S. Duval Son & Co. — フィラデルフィア
これもかなり重要。
P. S. Duval Son & Co. はフィラデルフィアの大規模リトグラフィー企業。
特に有名なのが、
James Fuller Queen《American Fruit》1867
のようなクロモリトグラフ。
1876年のフィラデルフィア万博でもクロモリトグラフィーで評価されている。
この系統は、あなたが最近見ているような
「博物学・植物・果物・動物をものすごく精密に多色印刷する」
世界を見るのにかなり面白い。
5. Kurz & Allison — シカゴ
これは戦争画・歴史画のクロモで有名。
- 1880年創業
- Chicago
- Louis Kurz + Alexander Allison
- 南北戦争の戦闘場面を大判クロモリトグラフで大量出版
1880年代~1890年代に、南北戦争の戦闘を描いたシリーズを出版した。
Prangが
「絵画を印刷によって大衆化する」
方向なら、
Kurz & Allisonは
「歴史そのものを壁に掛けられる商品にする」
方向。
後には米西戦争やフィリピン戦争なども扱っている。
6. Donaldson Brothers — ニューヨーク
これはトレードカードを調べると非常に重要。
19世紀後半には広告用クロモリトグラフが爆発的に増えて、
- 石版で多色印刷
- 表面に商品・人物・動物などの美麗な絵
- 裏面に広告
という小型メディアが大量に流通した。
Donaldson Brothersはその代表格の一つ。19世紀アメリカのクロモ系企業として、Hatch Lithographic、Major & Knapp、American Lithographicなどと並んで挙げられている。
7. Ketterlinus — フィラデルフィア
こちらも商業クロモの重要企業。
特に、
広告・商品ラベル・トレードカード・パッケージ
方面を見るなら面白い。
つまりPrangのような「美術クロモ」とは別に、
クロモリトグラフ=広告産業のカラー化
という巨大な流れがあった。
大まかに分類すると
1. L. Prang & Co. — ボストン
おそらく19世紀アメリカのクロモリトグラフ工房として最重要。
- Louis Prang(1824–1909)
- 1860年に自らの会社 L. Prang & Co. を設立
- 美術複製、花・動物、風景、教育用図版、クリスマスカードなど
- 19世紀後半のアメリカの色彩印刷技術を大きく押し上げた
- 最終期には30枚以上の石版を使う作品もあった
メトロポリタン美術館には1888年の《Prize Babies》について、19個の石から38枚の版を刷った工程見本まで残っている。これはクロモリトグラフの「どうやって色を積み上げたか」を見る資料としてめちゃくちゃ面白い。
ボストン公共図書館にもPrangのクロモリトグラフが1,500点以上残っている。
2. Currier & Ives — ニューヨーク
こちらは超有名。
- Nathaniel Currier
- James Merritt Ives
- 1835年創業、1895年まで活動
- 19世紀アメリカの大衆向け版画市場を巨大化させた
ただし、ここは**「純粋なクロモリトグラフ専門工房」ではない**ところが重要。
基本的には石版を刷った後、手彩色した作品が大量に存在する。
1866年以降のニューヨークの工房では、
- 3階:印刷
- 4階:画家・石工・リトグラファー
- 5階:彩色工
という分業体制になっていた。
つまり、これはかなり面白い。
「版画工房+絵画工房+大量生産工場」
みたいな構造になっていたわけだ。
3. J. H. Bufford & Co. — ボストン
アメリカのクロモリトグラフ黎明期を調べるなら外せない。
ボストンでは1840年代からクロモリトグラフが始まり、J. H. Bufford & Co. や L. H. Bradford & Co. が早い段階から商業的に成功していた。
Bufford系は、
- 楽譜
- ポスター
- 広告
- トレードカード
- 美術的な色彩版画
など非常に幅広い。
4. P. S. Duval Son & Co. — フィラデルフィア
これもかなり重要。
P. S. Duval Son & Co. はフィラデルフィアの大規模リトグラフィー企業。
特に有名なのが、
James Fuller Queen《American Fruit》1867
のようなクロモリトグラフ。
1876年のフィラデルフィア万博でもクロモリトグラフィーで評価されている。
この系統は、あなたが最近見ているような
「博物学・植物・果物・動物をものすごく精密に多色印刷する」
世界を見るのにかなり面白い。
5. Kurz & Allison — シカゴ
これは戦争画・歴史画のクロモで有名。
- 1880年創業
- Chicago
- Louis Kurz + Alexander Allison
- 南北戦争の戦闘場面を大判クロモリトグラフで大量出版
1880年代~1890年代に、南北戦争の戦闘を描いたシリーズを出版した。
Prangが
「絵画を印刷によって大衆化する」
方向なら、
Kurz & Allisonは
「歴史そのものを壁に掛けられる商品にする」
方向。
後には米西戦争やフィリピン戦争なども扱っている。
6. Donaldson Brothers — ニューヨーク
これはトレードカードを調べると非常に重要。
19世紀後半には広告用クロモリトグラフが爆発的に増えて、
- 石版で多色印刷
- 表面に商品・人物・動物などの美麗な絵
- 裏面に広告
という小型メディアが大量に流通した。
Donaldson Brothersはその代表格の一つ。19世紀アメリカのクロモ系企業として、Hatch Lithographic、Major & Knapp、American Lithographicなどと並んで挙げられている。
7. Ketterlinus — フィラデルフィア
こちらも商業クロモの重要企業。
特に、
広告・商品ラベル・トレードカード・パッケージ
方面を見るなら面白い。
つまりPrangのような「美術クロモ」とは別に、
クロモリトグラフ=広告産業のカラー化
という巨大な流れがあった。
大まかに分類すると
1. L. Prang & Co. — ボストン
おそらく19世紀アメリカのクロモリトグラフ工房として最重要。
- Louis Prang(1824–1909)
- 1860年に自らの会社 L. Prang & Co. を設立
- 美術複製、花・動物、風景、教育用図版、クリスマスカードなど
- 19世紀後半のアメリカの色彩印刷技術を大きく押し上げた
- 最終期には30枚以上の石版を使う作品もあった
メトロポリタン美術館には1888年の《Prize Babies》について、19個の石から38枚の版を刷った工程見本まで残っている。これはクロモリトグラフの「どうやって色を積み上げたか」を見る資料としてめちゃくちゃ面白い。
ボストン公共図書館にもPrangのクロモリトグラフが1,500点以上残っている。
2. Currier & Ives — ニューヨーク
こちらは超有名。
- Nathaniel Currier
- James Merritt Ives
- 1835年創業、1895年まで活動
- 19世紀アメリカの大衆向け版画市場を巨大化させた
ただし、ここは**「純粋なクロモリトグラフ専門工房」ではない**ところが重要。
基本的には石版を刷った後、手彩色した作品が大量に存在する。
1866年以降のニューヨークの工房では、
- 3階:印刷
- 4階:画家・石工・リトグラファー
- 5階:彩色工
という分業体制になっていた。
つまり、これはかなり面白い。
「版画工房+絵画工房+大量生産工場」
みたいな構造になっていたわけだ。
3. J. H. Bufford & Co. — ボストン
アメリカのクロモリトグラフ黎明期を調べるなら外せない。
ボストンでは1840年代からクロモリトグラフが始まり、J. H. Bufford & Co. や L. H. Bradford & Co. が早い段階から商業的に成功していた。
Bufford系は、
- 楽譜
- ポスター
- 広告
- トレードカード
- 美術的な色彩版画
など非常に幅広い。
4. P. S. Duval Son & Co. — フィラデルフィア
これもかなり重要。
P. S. Duval Son & Co. はフィラデルフィアの大規模リトグラフィー企業。
特に有名なのが、
James Fuller Queen《American Fruit》1867
のようなクロモリトグラフ。
1876年のフィラデルフィア万博でもクロモリトグラフィーで評価されている。
この系統は、あなたが最近見ているような
「博物学・植物・果物・動物をものすごく精密に多色印刷する」
世界を見るのにかなり面白い。
5. Kurz & Allison — シカゴ
これは戦争画・歴史画のクロモで有名。
- 1880年創業
- Chicago
- Louis Kurz + Alexander Allison
- 南北戦争の戦闘場面を大判クロモリトグラフで大量出版
1880年代~1890年代に、南北戦争の戦闘を描いたシリーズを出版した。
Prangが
「絵画を印刷によって大衆化する」
方向なら、
Kurz & Allisonは
「歴史そのものを壁に掛けられる商品にする」
方向。
後には米西戦争やフィリピン戦争なども扱っている。
6. Donaldson Brothers — ニューヨーク
これはトレードカードを調べると非常に重要。
19世紀後半には広告用クロモリトグラフが爆発的に増えて、
- 石版で多色印刷
- 表面に商品・人物・動物などの美麗な絵
- 裏面に広告
という小型メディアが大量に流通した。
Donaldson Brothersはその代表格の一つ。19世紀アメリカのクロモ系企業として、Hatch Lithographic、Major & Knapp、American Lithographicなどと並んで挙げられている。
7. Ketterlinus — フィラデルフィア
こちらも商業クロモの重要企業。
特に、
広告・商品ラベル・トレードカード・パッケージ
方面を見るなら面白い。
つまりPrangのような「美術クロモ」とは別に、
クロモリトグラフ=広告産業のカラー化
という巨大な流れがあった。
そして面白いのが、19世紀後半のアメリカはクロモリトグラフの「工房」が、そのまま現代の印刷会社・広告会社・出版社・美術出版社へ進化していく時代だったこと。
Prangなんかは特に象徴的で、彼自身が「美術をエリートだけのものにしない」という方向をかなり明確に持っていた。
だから、前に話していた**「1600年に人類が物を発見した」**という話につなげると、19世紀アメリカのクロモは、
「発見した物・描いた物・歴史上の出来事を、誰でも所有できるカラー画像へ変換する産業」
だった、と見ることもできる。












