2026年9月10日木曜日

19世紀アメリカのクロモリトグラフ工房まとめ

 19世紀アメリカのクロモリトグラフは、「どこの工房が凄かったか」だけでなく、何を印刷していたかで系統がかなり分かれる。特に重要なのは次のあたり。

1. L. Prang & Co. — ボストン


おそらく19世紀アメリカのクロモリトグラフ工房として最重要。

  • Louis Prang(1824–1909)

  • 1860年に自らの会社 L. Prang & Co. を設立
  • 美術複製、花・動物、風景、教育用図版、クリスマスカードなど
  • 19世紀後半のアメリカの色彩印刷技術を大きく押し上げた
  • 最終期には30枚以上の石版を使う作品もあった

メトロポリタン美術館には1888年の《Prize Babies》について、19個の石から38枚の版を刷った工程見本まで残っている。これはクロモリトグラフの「どうやって色を積み上げたか」を見る資料としてめちゃくちゃ面白い。  

ボストン公共図書館にもPrangのクロモリトグラフが1,500点以上残っている。  


2. Currier & Ives — ニューヨーク

こちらは超有名。

  • Nathaniel Currier
  • James Merritt Ives
  • 1835年創業、1895年まで活動
  • 19世紀アメリカの大衆向け版画市場を巨大化させた

ただし、ここは**「純粋なクロモリトグラフ専門工房」ではない**ところが重要。

基本的には石版を刷った後、手彩色した作品が大量に存在する。

1866年以降のニューヨークの工房では、

  • 3階:印刷
  • 4階:画家・石工・リトグラファー
  • 5階:彩色工

という分業体制になっていた。  

つまり、これはかなり面白い。

「版画工房+絵画工房+大量生産工場」

みたいな構造になっていたわけだ。


3. J. H. Bufford & Co. — ボストン


アメリカのクロモリトグラフ黎明期を調べるなら外せない。

ボストンでは1840年代からクロモリトグラフが始まり、J. H. Bufford & Co.L. H. Bradford & Co. が早い段階から商業的に成功していた。  

Bufford系は、

  • 楽譜
  • ポスター
  • 広告
  • トレードカード
  • 美術的な色彩版画

など非常に幅広い。


4. P. S. Duval Son & Co. — フィラデルフィア

これもかなり重要。

P. S. Duval Son & Co. はフィラデルフィアの大規模リトグラフィー企業。

特に有名なのが、

James Fuller Queen《American Fruit》1867

のようなクロモリトグラフ。

1876年のフィラデルフィア万博でもクロモリトグラフィーで評価されている。  

この系統は、あなたが最近見ているような

「博物学・植物・果物・動物をものすごく精密に多色印刷する」

世界を見るのにかなり面白い。


5. Kurz & Allison — シカゴ

これは戦争画・歴史画のクロモで有名。

  • 1880年創業
  • Chicago
  • Louis Kurz + Alexander Allison
  • 南北戦争の戦闘場面を大判クロモリトグラフで大量出版

1880年代~1890年代に、南北戦争の戦闘を描いたシリーズを出版した。  

Prangが

「絵画を印刷によって大衆化する」

方向なら、

Kurz & Allisonは

「歴史そのものを壁に掛けられる商品にする」

方向。

後には米西戦争やフィリピン戦争なども扱っている。


6. Donaldson Brothers — ニューヨーク

これはトレードカードを調べると非常に重要。

19世紀後半には広告用クロモリトグラフが爆発的に増えて、

  • 石版で多色印刷
  • 表面に商品・人物・動物などの美麗な絵
  • 裏面に広告

という小型メディアが大量に流通した。

Donaldson Brothersはその代表格の一つ。19世紀アメリカのクロモ系企業として、Hatch Lithographic、Major & Knapp、American Lithographicなどと並んで挙げられている。  


7. Ketterlinus — フィラデルフィア

こちらも商業クロモの重要企業。

特に、

広告・商品ラベル・トレードカード・パッケージ

方面を見るなら面白い。

つまりPrangのような「美術クロモ」とは別に、

クロモリトグラフ=広告産業のカラー化

という巨大な流れがあった。


大まかに分類すると

1. L. Prang & Co. — ボストン

おそらく19世紀アメリカのクロモリトグラフ工房として最重要。

  • Louis Prang(1824–1909)
  • 1860年に自らの会社 L. Prang & Co. を設立
  • 美術複製、花・動物、風景、教育用図版、クリスマスカードなど
  • 19世紀後半のアメリカの色彩印刷技術を大きく押し上げた
  • 最終期には30枚以上の石版を使う作品もあった

メトロポリタン美術館には1888年の《Prize Babies》について、19個の石から38枚の版を刷った工程見本まで残っている。これはクロモリトグラフの「どうやって色を積み上げたか」を見る資料としてめちゃくちゃ面白い。  

ボストン公共図書館にもPrangのクロモリトグラフが1,500点以上残っている。  


2. Currier & Ives — ニューヨーク

こちらは超有名。

  • Nathaniel Currier
  • James Merritt Ives
  • 1835年創業、1895年まで活動
  • 19世紀アメリカの大衆向け版画市場を巨大化させた

ただし、ここは**「純粋なクロモリトグラフ専門工房」ではない**ところが重要。

基本的には石版を刷った後、手彩色した作品が大量に存在する。

1866年以降のニューヨークの工房では、

  • 3階:印刷
  • 4階:画家・石工・リトグラファー
  • 5階:彩色工

という分業体制になっていた。  

つまり、これはかなり面白い。

「版画工房+絵画工房+大量生産工場」

みたいな構造になっていたわけだ。


3. J. H. Bufford & Co. — ボストン

アメリカのクロモリトグラフ黎明期を調べるなら外せない。

ボストンでは1840年代からクロモリトグラフが始まり、J. H. Bufford & Co.L. H. Bradford & Co. が早い段階から商業的に成功していた。  

Bufford系は、

  • 楽譜
  • ポスター
  • 広告
  • トレードカード
  • 美術的な色彩版画

など非常に幅広い。


4. P. S. Duval Son & Co. — フィラデルフィア

これもかなり重要。

P. S. Duval Son & Co. はフィラデルフィアの大規模リトグラフィー企業。

特に有名なのが、

James Fuller Queen《American Fruit》1867

のようなクロモリトグラフ。

1876年のフィラデルフィア万博でもクロモリトグラフィーで評価されている。  

この系統は、あなたが最近見ているような

「博物学・植物・果物・動物をものすごく精密に多色印刷する」

世界を見るのにかなり面白い。


5. Kurz & Allison — シカゴ

これは戦争画・歴史画のクロモで有名。

  • 1880年創業
  • Chicago
  • Louis Kurz + Alexander Allison
  • 南北戦争の戦闘場面を大判クロモリトグラフで大量出版

1880年代~1890年代に、南北戦争の戦闘を描いたシリーズを出版した。  

Prangが

「絵画を印刷によって大衆化する」

方向なら、

Kurz & Allisonは

「歴史そのものを壁に掛けられる商品にする」

方向。

後には米西戦争やフィリピン戦争なども扱っている。


6. Donaldson Brothers — ニューヨーク

これはトレードカードを調べると非常に重要。

19世紀後半には広告用クロモリトグラフが爆発的に増えて、

  • 石版で多色印刷
  • 表面に商品・人物・動物などの美麗な絵
  • 裏面に広告

という小型メディアが大量に流通した。

Donaldson Brothersはその代表格の一つ。19世紀アメリカのクロモ系企業として、Hatch Lithographic、Major & Knapp、American Lithographicなどと並んで挙げられている。  


7. Ketterlinus — フィラデルフィア

こちらも商業クロモの重要企業。

特に、

広告・商品ラベル・トレードカード・パッケージ

方面を見るなら面白い。

つまりPrangのような「美術クロモ」とは別に、

クロモリトグラフ=広告産業のカラー化

という巨大な流れがあった。


大まかに分類すると

1. L. Prang & Co. — ボストン

おそらく19世紀アメリカのクロモリトグラフ工房として最重要。

  • Louis Prang(1824–1909)
  • 1860年に自らの会社 L. Prang & Co. を設立
  • 美術複製、花・動物、風景、教育用図版、クリスマスカードなど
  • 19世紀後半のアメリカの色彩印刷技術を大きく押し上げた
  • 最終期には30枚以上の石版を使う作品もあった

メトロポリタン美術館には1888年の《Prize Babies》について、19個の石から38枚の版を刷った工程見本まで残っている。これはクロモリトグラフの「どうやって色を積み上げたか」を見る資料としてめちゃくちゃ面白い。  

ボストン公共図書館にもPrangのクロモリトグラフが1,500点以上残っている。  


2. Currier & Ives — ニューヨーク

こちらは超有名。

  • Nathaniel Currier
  • James Merritt Ives
  • 1835年創業、1895年まで活動
  • 19世紀アメリカの大衆向け版画市場を巨大化させた

ただし、ここは**「純粋なクロモリトグラフ専門工房」ではない**ところが重要。

基本的には石版を刷った後、手彩色した作品が大量に存在する。

1866年以降のニューヨークの工房では、

  • 3階:印刷
  • 4階:画家・石工・リトグラファー
  • 5階:彩色工

という分業体制になっていた。  

つまり、これはかなり面白い。

「版画工房+絵画工房+大量生産工場」

みたいな構造になっていたわけだ。


3. J. H. Bufford & Co. — ボストン

アメリカのクロモリトグラフ黎明期を調べるなら外せない。

ボストンでは1840年代からクロモリトグラフが始まり、J. H. Bufford & Co.L. H. Bradford & Co. が早い段階から商業的に成功していた。  

Bufford系は、

  • 楽譜
  • ポスター
  • 広告
  • トレードカード
  • 美術的な色彩版画

など非常に幅広い。


4. P. S. Duval Son & Co. — フィラデルフィア

これもかなり重要。

P. S. Duval Son & Co. はフィラデルフィアの大規模リトグラフィー企業。

特に有名なのが、

James Fuller Queen《American Fruit》1867

のようなクロモリトグラフ。

1876年のフィラデルフィア万博でもクロモリトグラフィーで評価されている。  

この系統は、あなたが最近見ているような

「博物学・植物・果物・動物をものすごく精密に多色印刷する」

世界を見るのにかなり面白い。


5. Kurz & Allison — シカゴ

これは戦争画・歴史画のクロモで有名。

  • 1880年創業
  • Chicago
  • Louis Kurz + Alexander Allison
  • 南北戦争の戦闘場面を大判クロモリトグラフで大量出版

1880年代~1890年代に、南北戦争の戦闘を描いたシリーズを出版した。  

Prangが

「絵画を印刷によって大衆化する」

方向なら、

Kurz & Allisonは

「歴史そのものを壁に掛けられる商品にする」

方向。

後には米西戦争やフィリピン戦争なども扱っている。


6. Donaldson Brothers — ニューヨーク

これはトレードカードを調べると非常に重要。

19世紀後半には広告用クロモリトグラフが爆発的に増えて、

  • 石版で多色印刷
  • 表面に商品・人物・動物などの美麗な絵
  • 裏面に広告

という小型メディアが大量に流通した。

Donaldson Brothersはその代表格の一つ。19世紀アメリカのクロモ系企業として、Hatch Lithographic、Major & Knapp、American Lithographicなどと並んで挙げられている。  


7. Ketterlinus — フィラデルフィア

こちらも商業クロモの重要企業。

特に、

広告・商品ラベル・トレードカード・パッケージ

方面を見るなら面白い。

つまりPrangのような「美術クロモ」とは別に、

クロモリトグラフ=広告産業のカラー化

という巨大な流れがあった。

そして面白いのが、19世紀後半のアメリカはクロモリトグラフの「工房」が、そのまま現代の印刷会社・広告会社・出版社・美術出版社へ進化していく時代だったこと。

Prangなんかは特に象徴的で、彼自身が「美術をエリートだけのものにしない」という方向をかなり明確に持っていた。  

だから、前に話していた**「1600年に人類が物を発見した」**という話につなげると、19世紀アメリカのクロモは、

「発見した物・描いた物・歴史上の出来事を、誰でも所有できるカラー画像へ変換する産業」

だった、と見ることもできる。



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